
キャッシュレス決済端末を導入するとき、「月額無料」と「月額有料」のどちらを選べばよいのか悩んでいませんか?
月額料金が0円なら、毎月固定費が発生しないため、一見お得に感じます。
しかし、実際には月額有料プランの方がトータルコストを抑えられるケースもあります。
なぜなら、月額有料プランでは決済手数料が低く設定されていることがあるためです。
例えば、月額0円で決済手数料2.48%のサービスと、月額3,300円で決済手数料1.98%のサービスでは、月間カード決済額によってお得なプランが変わります。
そこで今回は、決済端末の営業経験をもとに、月額無料と有料の決済端末を比較します。
月10万円・30万円・50万円・100万円の決済額を想定したシミュレーションに加え、損益分岐点の計算方法やおすすめの決済端末も紹介します。
【結論】月額無料と有料、どっちがお得?
月間カード決済額が少ない店舗では、月額無料プランが有利になりやすいです。
一方、カード決済額が多い店舗では、月額有料プランの低い決済手数料によって、固定費を回収できる場合があります。
STORESのフリープランとスタンダードプランを比較すると、対象カード決済額が月66万円になると、月額料金と決済手数料の合計が同額になります。
ただし、端末代や契約条件などを含めた最終的な損益分岐点は異なります。
月額無料・有料の決済端末を比較
代表的な決済サービスの料金体系を比較します。
| 決済サービス | 月額費用 | カード決済手数料 | 端末費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| STORES フリー |
0円 | 2.48%〜 | 27,720円 | 固定費を抑えて開始 |
| STORES スタンダード |
3,300円〜 | 1.98%〜 | 1台無料※ | 低料率・レジ連携 |
| stera pack light | 0円 | 1.98%〜 | 39,600円 | 月額固定費なし |
| stera pack | 初年度0円 2年目以降3,300円※ |
1.98%〜 | 初期費用0円 | プリンター内蔵 |
| USEN PAY | 0〜3,980円 税抜・条件あり |
通常2.99%〜 | 0円レンタル※ | 売上規模で月額が変動 |
| PayCAS Mobile | 1,980円〜 税抜・条件あり |
2.20%〜 | 申込プランによる | モバイル決済 |
| PAYGATE | 契約条件による | 契約条件による | 契約条件による | スマレジ連携 |
※カード決済手数料は各サービスの最低料率であり、ブランド・加盟店条件によって異なります。
※STORESのスタンダードは年間契約時の月額料金。決済端末の無償提供には条件があります。
※stera packは直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合、2年目以降の月額料金が無料となる条件があります。
※USEN PAYの月額料金は税抜で、納品月を含む最初の3か月間は0円です。
※PayCAS Mobileの表示料金は対象プランの料金です。追加機能や申込窓口によって条件が異なる場合があります。
※端末費用は税込表示です。最新料金は各社公式サイトで確認してください。
各サービスの料金・申込条件を確認
【売上別】月額無料と有料の費用をシミュレーション
ここからは、具体的な売上規模を想定して費用を比較します。
比較対象は、STORESの次の2プランです。
- フリープラン:月額0円・対象カード決済手数料2.48%
- スタンダードプラン:月額3,300円・対象カード決済手数料1.98%
今回は両プランの料金差を分かりやすくするため、Visa・Mastercardの対象決済額のみを使って計算します。
PayPayなどのQRコード決済、他ブランドのカード決済、端末代、振込手数料などは含めません。
| 月間カード決済額 | 月額無料 2.48% |
月額3,300円 1.98% |
安いプラン |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 2,480円 | 5,280円 | 無料 |
| 30万円 | 7,440円 | 9,240円 | 無料 |
| 50万円 | 12,400円 | 13,200円 | 無料 |
| 66万円 | 16,368円 | 16,368円 | 同額 |
| 100万円 | 24,800円 | 23,100円 | 有料 |
| 150万円 | 37,200円 | 33,000円 | 有料 |
| 200万円 | 49,600円 | 42,900円 | 有料 |
※月間カード決済額に対する決済手数料と月額利用料のみの試算です。端末費用や他の決済ブランドの手数料は含みません。
月10万円の店舗:月額無料が2,800円お得
月間カード決済額が10万円の場合、フリープランの決済手数料は2,480円です。
スタンダードプランは決済手数料1,980円に月額料金3,300円が加わるため、合計5,280円となります。
したがって、月額無料プランの方が毎月2,800円安い計算です。
開業直後やカード決済額がまだ少ない店舗では、固定費を抑えられるメリットが大きいでしょう。
月30万円の店舗:まだ月額無料が有利
月間カード決済額30万円では、無料プランが7,440円、有料プランが9,240円です。
差額は1,800円となり、月額無料プランが有利です。
ただし、売上が増えるにつれて2つのプランの費用差は縮まります。
月50万円の店舗:費用差はわずか800円
月間カード決済額50万円では、無料プランが12,400円、有料プランが13,200円です。
無料プランの方が800円安いですが、差はかなり小さくなっています。
POSレジやネットショップなど、スタンダードプランの機能を活用する場合は、月額料金を払う価値があるかもしれません。
月100万円の店舗:有料プランが1,700円お得
月間カード決済額100万円では、無料プランが24,800円、有料プランが23,100円です。
この場合、有料プランの方が毎月1,700円安くなります。
年間では20,400円の差です。
月間カード決済額が安定して100万円を超える店舗なら、月額有料プランを検討する価値があります。
損益分岐点は月66万円!計算方法を解説
では、月額無料と有料の決済端末は、どの時点で費用が逆転するのでしょうか。
計算方法はシンプルです。
月額料金 ÷ 決済手数料率の差
今回の例では、
3,300円 ÷(2.48% − 1.98%)
= 660,000円
つまり、月間カード決済額66万円が損益分岐点です。
ただし、これはあくまで月額利用料と決済手数料を比較した場合の金額です。
実際には、端末の購入費用や契約期間、振込手数料なども考慮する必要があります。
端末代を含めると損益分岐点は変わる
月額無料プランで見落としやすいのが、決済端末の購入費用です。
例えばSTORESでは、フリープランの端末価格は27,720円(税込)です。
一方、スタンダードプランでは条件を満たすと決済端末1台が無償提供されます。
したがって、契約初年度の総額で比較すると、月額料金と決済手数料だけを比較した場合とは結果が異なります。
STORESを1年間使った場合の比較
以下は、毎月同じカード決済額が発生する場合の試算です。
| 月間カード決済額 | フリー 年間総額 |
スタンダード 年間総額 |
安いプラン |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 57,480円 | 63,360円 | フリー |
| 30万円 | 117,000円 | 110,880円 | スタンダード |
| 50万円 | 176,520円 | 158,400円 | スタンダード |
| 100万円 | 325,320円 | 277,200円 | スタンダード |
※フリーは端末購入費27,720円を初年度に計上。スタンダードは年間契約・端末1台無償提供の条件を満たすものとして計算しています。決済手数料はVisa・Mastercardの対象料率のみを使用。その他の費用は含みません。
興味深いのは、初年度については月30万円の決済額でもスタンダードプランが安くなることです。
これは、フリープランの端末購入費用が初年度に発生するためです。
この条件なら、初年度の損益分岐点は月間カード決済額約19.8万円です。
ただし、2年目以降はフリープランに端末購入費用が再度発生しないため、年間費用の関係は変わります。
決済端末は「月額料金」だけではなく、「端末費用を含めた1年間の総コスト」で比較することが重要です。
【サービス別】月額無料・有料のおすすめ決済端末
① STORES|月額無料と有料を選べる
STORESは、月額無料で始めたい店舗と、低い決済手数料を重視する店舗の両方に対応しています。
フリープランは月額0円で、対象カード決済手数料2.48%〜。
スタンダードプランは年間契約で月額3,300円(税込)、対象カード決済手数料1.98%〜です。
また、STORES レジやネットショップなど、店舗運営に役立つサービスを利用できることも強みです。
- 売上が少ないうちはフリープランを検討
- 決済額が増えたらスタンダードを検討
- レジ・在庫・ネットショップの連携にも対応
② stera pack|初年度無料の有料型決済端末
stera packは、複数のキャッシュレス決済を1台で受け付けられるオールインワン型の決済端末です。
月額サービス利用料は初年度0円で、2年目以降は原則3,300円(税込)です。
ただし、直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合は、2年目以降の月額サービス利用料が無料になる条件があります。
プリンターが内蔵されているほか、24時間365日のヘルプデスクなど、サポートが充実している点も魅力です。
決済手数料は、小規模事業者向けの条件を満たす場合、Visa・Mastercardで1.98%〜となります。
- レシートプリンター内蔵の端末を使いたい
- 初期費用を抑えたい
- 導入後のサポートを重視する
- カード決済額が比較的大きい
③ stera pack light|月額0円で使える購入型端末
stera pack lightは、月額固定費0円で利用できるキャッシュレス決済サービスです。
従来のstera packとは異なり、端末を購入する方式となっています。
端末購入費用は39,600円(税込)ですが、その後の月額サービス利用料は0円です。
また、持ち運びしやすい端末のため、テーブル決済や移動販売にも適しています。
ただし、紙のレシートを発行する場合は専用プリンターの購入が必要です。
月額固定費が不要な一方、初期費用がかかるため、利用予定期間も含めて比較しましょう。
④ USEN PAY|決済額50万円以上なら月額0円
USEN PAYは、カード決済・電子マネー・QRコード決済に対応したオールインワン型の決済端末です。
特徴的なのが、月間決済取扱高によって月額料金が変わる料金体系です。
| 月間決済取扱高 | 月額料金(税抜) |
|---|---|
| 50万円以上 | 0円 |
| 10万円以上50万円未満 | 1,980円 |
| 10万円未満 | 3,980円 |
月間決済額が50万円以上であれば、決済サービスの月額利用料が無料になります。
ただし、月額料金が無料でも決済手数料は発生します。
また、USENレジなどのPOSレジを別途契約する場合は、その利用料も考慮する必要があります。
決済手数料だけでなく、店舗運営のサポートやPOSレジとの連携も含めて検討したい店舗におすすめです。
⑤ PayCAS Mobile|月額料金より機能性を重視する店舗向け
PayCAS Mobileは、さまざまなキャッシュレス決済を1台で受け付けられるモバイル型の決済端末です。
対象プランでは、月額1,980円〜(税抜)で利用できます。
ただし、利用する決済ブランドやオプションによって追加費用が発生する場合があります。
SIM通信やレシートプリンターを備えた端末のため、飲食店のテーブル会計や移動販売などにも向いています。
単純な月額料金の安さではなく、通信環境や持ち運びのしやすさを含めて比較することが大切です。
⑥ PAYGATE|POSレジとの連携を重視する店舗向け
PAYGATEは、スマレジとの連携に対応したキャッシュレス決済端末です。
クレジットカード決済・電子マネー・QRコード決済をまとめて利用でき、スマレジと組み合わせることで会計業務を効率化できます。
PAYGATEの料金は契約プランや適用条件によって異なるため、申込み前に見積もりを確認しましょう。
また、スマレジとの連携に追加料金がかかる場合もあるため、決済端末とPOSレジの総コストで比較することが重要です。
すでにスマレジを利用している店舗や、今後POSレジを導入する店舗には有力な選択肢となります。
決済端末を選ぶときに注意したい4つのポイント
① 店舗の売上ではなくカード決済額で計算する
損益分岐点を計算するときに注意したいのは、店舗全体の売上ではなく、対象となるカード決済額を使うことです。
例えば、月商100万円の店舗でも、カード決済比率が30%なら対象カード決済額は30万円です。
今回のSTORESの例では、月商100万円でもカード決済額30万円なら、月額無料プランの方が月々の手数料と固定費の合計は安くなります。
② 決済ブランドによって手数料が異なる
クレジットカード決済手数料1.98%〜と表示されていても、すべての決済ブランドが1.98%になるわけではありません。
JCBやAmerican Express、電子マネー、QRコード決済などは、異なる料率が適用される場合があります。
そのため、実際には決済ブランド別の売上構成を確認して比較する必要があります。
③ 端末代や振込手数料も確認する
月額無料プランでも、端末の購入費用が必要なサービスがあります。
また、売上金の振込先銀行によって振込手数料が発生する場合もあります。
短期間で解約する可能性がある店舗は、端末代や最低利用期間、解約条件まで確認しましょう。
④ POSレジとの連携費用も確認する
POSレジと決済端末を連携させる場合、別途レジの月額料金や連携アプリの料金が必要になる場合があります。
決済端末だけでなく、レジ・周辺機器・オプションを含めた総額で比較することが重要です。
よくある質問
いいえ。月額料金が0円でも決済手数料は発生します。また、端末代や振込手数料が必要になる場合があります。
必ずしも損ではありません。決済手数料が低く設定されていれば、決済額が多い店舗では月額料金を払っても総費用が安くなる場合があります。
サービスによって異なります。今回紹介したSTORESの例では、月額料金と対象カード決済手数料だけを比較すると月66万円です。
ただし、端末代などを含めると損益分岐点は変わります。
はい。個人事業主が利用できるプランもあります。ただし、加盟店審査や事業規模などの適用条件があります。
売上がまだ安定していない店舗では、月額無料プランが候補になります。ただし、端末購入費用が発生するため、初年度の総額も比較しましょう。
まとめ|月額料金ではなく総コストで選ぼう
今回は、月額無料と月額有料の決済端末について、売上別の費用と損益分岐点を比較しました。
- 月額無料でも決済手数料や端末代は発生する
- カード決済額が多い店舗では、有料プランが安くなる場合がある
- STORESの比較例では月66万円が月間費用の損益分岐点
- 端末代を含めた初年度の総額では、損益分岐点が変わる
- 店舗の業種やPOSレジとの連携も選ぶ際の重要なポイント
これからキャッシュレス決済を導入する店舗は、月額料金の安さだけで判断せず、1年間の総コストを計算することをおすすめします。
最後に、用途別におすすめのサービスをまとめます。
| 重視するポイント | おすすめサービス |
|---|---|
| 無料・有料プランを選びたい | STORES |
| 月額固定費を抑えたい | stera pack light |
| 端末の機能・サポート重視 | stera pack |
| 店舗運営・レジ連携重視 | USEN PAY |
| 持ち運び・SIM通信重視 | PayCAS Mobile |
| スマレジ連携重視 | PAYGATE |
気になる決済サービスの公式サイトを確認
【参考:各社公式サイト】
STORES 決済の料金
stera pack・stera pack light
USEN PAYの料金
PayCAS Mobile
スマレジ
※本記事は2026年10月時点で確認した公開情報をもとに作成しています。料金・手数料・提供条件は変更される場合があります。導入前に各社の最新情報をご確認ください。

